忘れられない人(11/7)

天使に会いにグローブ座に行ってきました。(帰国した翌日です)
原作つきだと知ったとき(確か舞台が公表された日)「DVDを観て予習しよう!」とおもったのですが、コンサートのMCで「先に映画を観ないで><」というようなことを言っていたのであらすじを少し押さえるのみでの観劇となりました。

席に着いてから開演までの間は舞台上のセット(アダムの部屋)を観察していました。冷蔵庫のフォルムが曲線を帯びていてかわいくて(欲しい)、本棚の中身や本棚の横のコルクボードに貼られた写真、ソファ(白地の花柄)に掛けられたチェックのストールなど、アダムの生活感(アダムが確かに生きていた証)を感じてほろり。

そんなアダムですが開演後もまったく喋らないので(舞台上に出てきてからも黙々と仕事をするのみ)、ようやく口を開いたときには「アダムが喋ったー!(クララが立ったー!)」と大興奮しました!その後も決して饒舌ではなく、訥々と正直な言葉を紡ぐあいばさんのアダムにとても引き込まれました。話の途中でキャロラインが口を開くと「話はまだ終わっていない」と遮るところなんて本当に可愛い!

アダムがキャロラインに心を赦すシーンがとても印象的。胸に手を伸ばして、それからしっかりと抱きついて、子どもが母親に甘えるように閉ざしていた心を開く。セリフはないけれど、恐る恐る手を伸ばしてからきつく抱きしめる行動は胸に迫るものがありました。

その一方、キャロラインが浮気したと誤解したときの行動もすごく鮮明。あいばさんのアダムは「黒か白か」「1か0か」というような判断しかできない印象を受けました。曖昧なグレーの部分がない、幼い子どものような。アダムの繊細さというのは子どもの持つ繊細さで、それは恐らく心臓を移植した時から消えずに残ってしまったものなのでしょう。曖昧さを厭い、自らの信念に反するような妥協を拒むアダムは、本当に無垢の状態で逝ってしまった。そして息を引き取った後、白い衣装で登場するアダムは本当に天使のようでした。劇中の「アダムは天使になった」というセリフに白々しさを感じさせないところに、あいばさんの本気を見せてもらった気がします。正直感動した。

余談ですが、B列での観劇(ただでさえ狭いグローブ座なのに…)だったため、目の前で繰り広げられるレイプ(未遂)シーンにギャアアアアとなりました…「アダム!早く!早くキャロラインを助けてえええええええ」という感じ。だがしかし助けに入ったアダムが犯人に対し容赦なく暴行を加えるのでそれも「うわああああ」という…。たぶんわたしの顔は強張っていたとおもう笑。

ナッキーも可愛かったけどいわまゆが凛としたキャラでほれぼれ*

最初で最後の観劇だったけど一度観れれば十分。たしか少恩のころのベイストで「和子は(息子が)死ぬのは観たくない(たとえ芝居であっても)」と言っていたけどまさにそういう感じ…たとえ舞台でもあいばさんが死ぬのはかなしい。なかなかうまく割り切れません。

しんみりとした帰路、突然「最期のシーンが女帝(笑)みたいだった!」という話題で盛り上がりました。のしあがっちゃるけん!!#”%$&’